フリッツハンセン Fritz Hansen / Denmark ポール・ケアホルム Poul Kjærholm (1929-1980) / Denmark ポール・ケアホルム PK22本革座面シート

デンマーク製、フリッツ・ハンセン社よる、Poul Kjaerholm（ポール・ケアホルム）デザイン「PK22」の本革座面シートです。
特徴あるエレガントなイージーチェアPK22は、ポール・ケアホルムの作品に常に見られるように、理想のフォルムと工業的な次元における探求を見事に表しております。構造フレームにスチールを用いるスタイルは、コペンハーゲンの美術工芸学校での卒業制作「エレメントチェア」から始まり、PK22においては、デザインの改良と無駄の無い生産のために、構造部がいくつかのパーツに分けられております。また、PK22は市場において瞬く間に大きな反響を得て、1957年には世界的な美術展覧会であるミラノのトリエンナーレにてグランプリを獲得しました。今回、本革座面シートのみの出品です。アレンジなどを加え自分だけのオリジナルチェアを、この機会にどうぞご検討ください。

フリッツ・ハンセン Fritz Hansen
北欧モダンデザインのアイコン的存在で、数々の名作を産んだデンマークのブランド。25歳の若き家具職人フリッツ・ハンセン は、1872年にコペンハーゲンで家具の部材メーカーを創業します。そして1885年にオリジナル家具の製造会社を設立し、2年後にはコペンハーゲンの中心地に製作所を立ち上げます。その確かな技術により、高品質のメーカーとして評価を高めていきました。1899年、フリッツ・ハンセンの息子であり後継者のクリスチャン・E・ハンセンが事業を引き継ぎます。この頃になると重要なプロジェクトへ関わるようになり、クリスチャンボー城、デンマーク国会議事堂、コペンハーゲン市庁舎など、大規模な建造物の家具を次々に手掛けました。1920年代に入ると新素材や新たな生産技術を積極的に導入していきます。工業メーカーへと大きく成長する中で、クリスチャン・E・ハンセンはスチームによるブナ材の曲げ木を使った実験を開始します。進化を続けた曲げ木の技法は1930年代に確立し、フリッツ・ハンセンはこの分野において世界に先駆ける存在となりました。この時期から、才能豊かな気鋭デザイナーや建築家とコラボレートした家具を製作します。アルネ・ヤコブセン、ポール・ケアーホルム、ハンス・J・ウェグナー、ヴィコ・マジストレッティといった、一流のデザイナーたちとフリッツ・ハンセンの革新的な技術と高いクラフトマンシップが融合し、数多くの歴史的な傑作・名作を残しました。特に、アルネ・ヤコブセンがデザインし1952年に発表した成型合板の椅子アリンコチェア、1958年発表のエッグチェアやスワンチェアは、デンマーク家具の歴史において最大の成功を収めた作品となり、北欧家具の価値を大きく高めました。フリッツ・ハンセンは今日の工業化された製造手法のパイオニアであり、その製造技術の緻密さにも定評があります。家具の歴史を語る上で欠かせない存在であり、今なお愛され続けるビッグブランドです。

ポール・ケアホルム / Poul Kjaerholm
ハンス・J・ウェグナーやボーエ・モーエンセンらとともに北欧デザインの黄金期に活躍し、奇才と呼ばれたデンマークの家具デザイナーです。建築素材に強い関心を持っており、家具の素材としては当時まだ一般的ではなかったスチールも木などと同様、芸術的な繊細さをもつ天然素材であると考えました。フリッツ・ハンセン社に約１年間勤め、その間に重要なチェアのプロトタイプを数多くデザインしています。1955年よりケアホ ルムは家具メーカー、アイヴィン・コル・クリステンセン社との関係をスタートさせ、1980年にケアホルムが51歳の若さで亡くなるまで続きました。ケアホルムは2000年代以降に再評価が進み、いまや北欧デザイン史を語る上で欠かせない存在となっています。